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すべては小さな「命」のために~糖尿病のケア~

わんちゃんの健康はいつ何時どのような状態になるかわかりません。

健康だと思っていても、実際に健康診断や偶然の血液検査で

「異常」はみつかるものです。今回はその「異常」の中でも

「糖尿病」についてお話していきたいと思います。

 

 

「糖尿病」はほかの病気も併発しやすいので、気をつけなければならないことが多い疾患です。

 

目次

まずは正しく理解しましょう!糖尿病ってどんな病気?

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。

インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲にする働きをします。
血糖の濃度(血糖値)が高いままで放置すると

1,目がみえにくくなります(白内障の進行)
2,体重の減少
3,甲状腺ホルモンの異常
4,尿路感染症になりやすい
5,腎臓疾患
6,末端からの出血

などこのような症状がでてきます。
これは糖が血管の中にたくさんあることで、血管が傷つき、免疫力がおちてこのような症状が出てきます。

高い血糖値はふらつき、心臓疾患(心不全)そのほかさらにひどくなると昏睡(こんすい)などをおこすことがあります。

糖尿病と判断されるまで

糖尿病は人間では遺伝性のものと、後天性(生活習慣病)とありますが、わんちゃんの場合にはまだわかっていないことが多く、人間とはまた違った形で糖尿病を発症します。

きっかけは様々な形態があります。

私がよく知るわんちゃんは尿石が多く、手術で取り除いた後に糖尿病を発症しました。

糖尿病かな?と思う原因をいくつかあげておきます。

1,ふらつきがでて階段を落ちたり、転んだりします。
2,多飲多尿
3,なんとなく痩せてきた
4,四肢の震え
5,不眠
6,胃腸が弱くなる

ほかにもまだありますが、わかりやすいのがこのあたりかと思います。これは糖尿病だけではなくて、ほかの疾患も考えられます。そのため、これがあったから糖尿病と判断はできません。怪しいと思ったら、まずは血糖値を測定することをおすすめします。

糖尿病?と思ったその症状はこんな感じです

1,ふらつきが出る
軽いめまいがしているの?といった感じのふらつきです。元気ではあるのでわかりにくいです。階段など、いつも元気に上がり下がりするのにできなくなった・・・ということもあります。

2,多飲多尿
これは読んで字のごとくですが、飲む量はいつもより多いような気がする・・・くらいなのですが排尿量が普通ではありません。飲む量はあまりかわらなくても尿量がかなり多い場合には糖尿病も考えられます。

3,なんとなく痩せてきた
急激に痩せるわけではありません。食事もとってるし、食べないわけではないのに、なんとなく痩せた?くらいの感じです。ただこのまま放置すると食欲が減少し、かなり痩せていってしまいます。糖尿病というと太ってるというイメージもありますが実際に糖尿病を患っていると痩せていきます。

4,四肢のふるえ
関節が痛いわけでも、特にあるけないわけでもないけど、なんかふるふるしてるかな?くらいの程度です。糖尿病になると末端へ血液がきちんと回らず、わたしたちでいう「正座して足がしびれた」状態と考えるとわかりやすいかと思います。末端の血管から出血する場合もあります。

5,不眠
ほぼ眠れません。これは甲状腺機能に影響がでるのもあるかもしれませんが、精神的に不安になるようで、特に夜寝られないことが多くなります。

6,胃腸が弱くなる
よく食べるわりには、すぐ下痢をしたりすることが増えます。また普段食べない子は食べなくなることもあります。食べなくなる場合には、血糖値があがったままのためにお腹がすいたという感覚がなくなってしまうこともあります。また下痢をする場合には腸内環境が乱れ、下痢をすることが多くなるのも糖尿病を患っている可能性が考えられます。

胃腸が弱いという場合には・・・こんなこともあります

胃腸が弱くなった・・・と思われる場合には、一番わかりやすそうでわかりにくいかと思います。

胃腸炎
糖尿病
膵炎
肝炎
腎疾患
胆管炎

などさまざまなことが考えられます。まずは弁の色や状態、食べる量や食べたがるもの、そのほか様々な胃腸からみれる症状を見てあげないといけません。糖尿病もそうですが、皮膚炎ひとつとっても胃腸は健康のバロメーターです。

糖尿病ではなかったとしてもほかの原因も考えられます。普段と違うところから、またわんちゃんの健康を守ってあげられるように対処してあげてください。

糖尿病だと診断されたら・・・どのような治療をするの?

糖尿病と診断されると

1,血糖値の測定
2,インスリンを注射

この2つが毎日の日課となります。毎日これをすることは楽なことではありません。がそのまま放置しておくと、間違いなく死にいたります。
糖尿病は見た目はなんてことない病気なのですが、だんだん体の中の血管がもろくなっていき細胞が壊死していきます。これは血管のなかに糖がいつまでもあることで血管を傷つけ、そこへ血液がいきわたらず細胞に栄養がいかないためです。

末端(足先など)からその部分の細胞が死んでいき、ひどくなると腐ってその部分がなくなります。人間では足を切断しなければならなくなる場合もあります。

そのためにインスリン量を調節が必要な場合には血糖値の測定とそのあとのインスリンを投与することで血糖値をさげて、体の中の糖のコントロールをしていきます。

あとは食事です。本来糖尿病は療法食もありますが、通常糖尿病は病気を併発させる場合が多いので療法食が使えないときが多くあります。そのため食事管理も大切な治療の一環となります。

インスリンの投与量と食事療法

1,インスリンの投与量
インスリンは血糖値や犬種、体重なども作用しますので投与量は個々で変わります。何度も変更することもあると思います。それがなぜ必要になるのか・・・それはインスリン投与後の低血糖の対処です。

高血糖は放置することでダメージがあります。しかしながら低血糖はインスリンを投与し、正常な血糖値にさげる量であったにもかかわらず、なんらかの加減で低血糖におちいることがあります。

毎日同じ量のインスリンを投与していたとしても、体調や気分によっても血糖値は変わりますので、毎回同じ数値にはなりません。

低血糖になってしまうとかなり危険な状態となります。血糖値をコントロールできるようになるまでは毎日測定しなければならないかもしれません。それでも低血糖になって命を落としてしまうようなことにならなければ、測定はした方がよいのかもしれません。病院の先生とよく話し合って決めることが大切だと思います。

2,食事管理
糖尿病は療法食もありますが、病気を併発することが多いために使えないことも多くあります。それなら手作りのほうが・・・と思われる方も多いかもしれません。しかしながら糖尿病を患っている時は手作りはおすすめできません。


その理由としては
・糖尿病の場合、その血糖値は食事にも影響されます。できるだけ健康に近い血糖値であることが、その子の体の機能や免疫力をあげることができます。

・手作りの場合、どれだけの栄養価が吸収できているのかわかりにくいところです。たくさん摂取しなければいけない栄養価があり、体重の減少もみられます。そのために免疫力や体の機能も落ちてきますので、なんとかわんちゃんのために作られたフードを食べていただきたいと思います。

血糖値がきちんとコントロールできてからでも、食事などは変更できます。体重や健康状態をみてほかの食事も食べさせてあげられます。食事療法をとりいれながら上手にコントロールしていくことで併発する病気も少なくなります。

実際に私が使用したフードはドライフードでもグレインフリー、グルテンフリー、療法食、ウエットフードです。ドライフードでも消化がよくかなり胃腸に負担のないものを選択しました。しかしながら血糖値をコントロールがいまいちうまくいかず、ウエットフードに変更しました。

ウエットフードは果物とお肉を取り入れたものと、1つのタンパクで構成されているものの2種類を使用しました。どちらも消化しやすく胃腸への負担(消化)が少ないために、血糖値をコントロールしやすく、またわんちゃんも食べやすかったようです。

ドライフードよりはウエットフードのほうがコントロールしやすかったですが、ウエットフードは高価なものが多いためそのほかにも工夫は必要と思われます。

不安はわんちゃんに伝わります・・楽しい生活をおくるために

わんちゃんは感受性が高く、私たちの感情をよみとります。そのため治療に不安になったりすると、糖尿病にもよくありません。どの病気にもストレスは要因になってしまいます。

毎日血糖値をコントロールして、食事管理して・・・と思うとかわいそうで。。と思う人も多いかもしれません。それでも彼らは笑顔で病気を受け入れます。わんちゃんとの生活はどんなときも支えて支え合ってが基本です。私たちが面倒見るだけではなく、私たちも彼らから多くの心と癒やしをもらっています。得るのが大きいのはもしかしたら私たちのほうなのかもしれません。だからこそ「かわいそう」ではなく「よくがんばってる」という気持ちで支えてあげたいですね。

糖尿病は長く患うことの多い病気です。先がみえない不安もあると思います。一人でたたかうのはつらいと思います。わからないことや不安や疑問は解消できるように獣医さんとよく話しをして解決させることはとても大切です。それでも心に不安があるのであればここに気持ちをぶつけにきてください。私たちはいつも待っています。

糖尿病のケアは食事管理も必要です。食事についても書いていきますので、是非読んで見てくださいね。
またこちらの内容については、ご質問はメールから受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

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